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ボヤント・オハー空港道路の現状
「ボヤント・オハー空港」から続く幹線道路は、「トゥーラ川」に架かる「平和大橋」を境として市内中心部につながっています。空港は橋を超えると同空港より、この「平和大橋」までの総距離は8.5km。一方、このうち、柵の設けられている部分の距離は、5.7kmになります。つまり、この5.7kmの道路に沿って、タテ2m×ヨコ3m程度の柵が一定の間隔をあけて設けられており、その柵の中に木々が植えられています。ちなみに、この柵で囲まれた樹木は合計28ヶ所にのぼります。
現地で実施した測量調査・聞き取り調査(2003年8月20日)では以下の諸点が明らかになりました。
1.約40年前に空港から市内へ至る道路に沿って柵が設けられ、植林がなされた。
2.建設当初はともかく、ここ10数年は、地域住民であるMr. Dochinsovzor氏が一人で樹木への水遣り、草刈などの世話をボランティアで行ってきた。しかしながら、同氏は1998年に他界し、現在は誰も世話をしておらず、市当局も財政上の理由で為す術がないのが現状である。
3.最近は、ウランバートル市への移住者が著しく増加し、2〜3年前に70万人といわれた首都人口もすでに80万人といわれているが、正確な統計はない。しかし、目視ではあるが、以前は、この空港道路から相当隔たった場所にあった人家(コンクリート集合住宅)の一群が、明らかに、この空港道路に向かって増えてきており、迫ってきている。それは、各個人が野放図に建てた遊牧民ゲルや小さな木造家屋であり、見るからに移住地区として適法に建設されたものとは言いがたい様相を呈している。すなわち、柵や植林による本プロジェクトによる道路の修理・整備は、単に道路自体の景観のみならず、道路地域と移住地域との境界の明確化・分離にも一定の役割を果たすことが期待されます。
4.写真資料にもあるように、木々は枯れたまま、柵も建設当時のままであり、その多くは錆びたり、一部破損したりしている。今後も市当局による修理計画、整備計画はなく、また、地域住民のボランティアによる清掃作業、保守作業も滞ったままである。